スポーツ鍼灸ボランティア
第49回大阪ろうあ者スポーツ大会の報告
スポーツ鍼灸プロジェクト委員会副委員長 岩 英進
2022年8月28日(日)に大阪市長居障がい者スポーツセンターで行われた第49回大阪ろうあ者スポーツ大会に、スポーツ鍼灸ボランティアとして参加しました。準会員の片岡昌彦先生と2名で行きました。会場について最初に確認することはAEDの設置場所と救護所の場所です。
そしてベットなどの設置をして、いよいよボランティア活動の開始となります。
会場では手話通訳のひとがサポートしてくれます。開会式のときは同時通訳してくれます。施術のときも横に来てくれて細かく通訳してくれました。ありがたいです。
競技場は3コートあり、競技はバレーボール・ゲートボール・フットサル・モルック・ボッチャ・卓球・フープ投げ・バトミントン・テニス・くつしたまいれ(くつした+たまいれ)・バスケットボールとたくさん行われました。モルックは初めて見ました。フィンランド発祥スポーツ。モルックと呼ばれる木の棒を投げ、数字の書かれたスキットルを倒します。1本だけ倒れたらそのスキットルに書かれた数字が、複数倒れたらその本数得点となり、いかに早く合計50点を獲得するかを競い合います。(大会パンフレット説明より)高得点のスキットルを1本だけ倒すのは難しそうでした。
慢性疲労で身体の硬い方が多かったので、ストレッチはゆっくり丁寧にやるよう心掛けました。また、パイオネクスが効きそうなので必ず貼るようにしました。今回は7人が来てくれました。1人だけ転倒した方がいましたが骨折はしてなさそうでした。
コロナ・会員減少などで大変な時期ですが、細く永く鍼灸の普及を行いたいです。
準会員・スポーツ鍼灸プロジェクト委員会委員 片岡昌彦
8月28日、大阪市の長居障がい者スポーツセンターにて大阪ろうあ者スポーツ大会が開催され、大阪府鍼灸師会よりスポーツボランティアとして参加させて頂きました。第49回目を迎えるこの大阪ろうあ者スポーツ大会は、大阪聴力障害者協会主催のスポーツ大会の中でも運動会のように長年親しまれてきた、とても伝統のある大会です。開始前から熱気があふれ、開会式では教育委員会など各方面から来賓の挨拶もありました。さてボランティア活動についてですが、負傷者の応急処置など救護活動と、ストレッチやパイオネックスを使っての施術が主な活動内容になります。今大会はバレーボールや卓球といった競技に加えて、ゲートボールやボッチャなど様々な競技が展開されていた事もあり、打撲など競技中の負傷で訪れる方や、大会中の身体のメンテナンスを目的として訪れる方が鍼灸ボランティアに訪れました。また、日頃の身体の不調の相談に訪れる方もおられました。
今回の活動と普段の臨床で一番違うのは、やはり問診や施術中のコミュニケーションだと感じました。今回の主なコミュニケーション手段は手話と筆談です。これらを駆使して自分達でも何とかやり取りをします。慣れていなくても積極的に手話を使っていく事は相手にも喜ばれ、お互いの距離を縮める事につながるように感じました。また、施術中は手話通訳の方にも入って頂き、詳細な内容や専門的な内容のやりとりをして頂きました。
表情や雰囲気など患者さんから伝わってくる事、身体の観察や触って読み取れる内容も重要である一方で、本人に直接聞かないとわからない事も多くあります。患部に伴う過去の既往歴や日常生活からの起因などの情報があるとないとでは施術の考え方が変わってくる事もあります。今回、利用者さんはそういった内容も手話やボディランゲージで教えてくれました。今回の活動を振り返ってみれば、手話から得られた情報が大きく施術を助けてくれたように思います。その事からも臨床においては、信頼関係を築き積極的にコミュニケーションをとる事が大事ということを改めて実感する事ができました。
大会中は、参加者の方々がとても明るくパワフルで活動的に競技に取り組んでいるという事も印象的で、こちらが元気をもらえたように思います。様々な環境があるけれども、コミュニケーション、信頼関係も含め大事な事は何も変わらないと実感でき、とても勉強になったボランティア活動でした。