報告令和7年度2月度学術講習会
令和7年度2月度学術講習会

研修受講レポート
題目: 美容医療のなかでの美容鍼の役割
立体造顔美容鍼®によるリフトアップの即効性(実技編)
講師: 岡本 真理先生(麻布ハリーク代表 日本メディカル美容鍼協会代表)
日時: 2026年02月08日(日)
開催日は大雪の影響により岡本真理先生はご来阪できず、オンラインでのご講演となりました。岡本先生に直接お会いできなくてとても残念ではありましたが、オンラインで受講することができ、安堵感とともに講義内容の満足感に満たされました。その内容を報告させていただきます。
1.『美容医療のなかでの美容鍼の役割』
「美容医療」のワードの検索トレンドは、「美容鍼」に比べて新型コロナ第1波以降に検索数が顕著に伸びているという大きな変化があり、美容医療についての世間の関心が窺える。それは日本だけでなく世界の美容医療においてでもある。美容市場のエステ部門は縮小傾向だが、美容医療は成長傾向にあり、また鍼灸における美容鍼の需要も拡張してきている。美容医療が美容サービスの中心になる時代において、美容医療を正しく理解し、美容鍼の強みを把握し、適切な準備をして、自信をもって美容鍼を提供することが、鍼灸師に求められることである。エステは「美容」「癒し」、美容医療は「美容」「治療」だが、美容鍼は「美容」「治療」「癒し」の3点の提供ができるという大きな強みがあり、美容鍼の強みを把握し最大限に活かすことが大切である。
<美容鍼の作用機序>
・血流促進…肌の代謝が改善。正常な肌のターンオーバーにより、様々な肌トラブルが改善。
・皮膚の創傷治癒…鍼による真皮層の微小傷が創傷治癒する過程でおこる線維芽細胞の活性化により、コラーゲン繊維やエラスチン繊維の生成が促進され、肌組織が改善。
・筋肉への作用…鍼刺激で交感神経活動が抑制され、筋肉が緩み、筋血流量が増加する。美容鍼を定期的に行うことで、筋肉の血流を改善し、表情筋や咀嚼筋の老化を防ぐ。
・全身鍼灸治療…全身治療を同時に提供できる。他の美容医療にはない大きな特徴。クライアントニーズをより深く根本から解決できる。
<顔のたるみに着眼し、特化した美容鍼>
たるみの原因は5つあり、5つの要素が複合してたるみは起こる。
①皮膚のたるみ②皮下脂肪のたるみ③筋肉のたるみ④靭帯のたるみ⑤骨の老化
<美容医療のたるみへの治療法>
・ハイフ(HIFU) ・サーマクール ・ウルセラ ・脂肪溶解注射 ・スレッドリフト
・ショッピングリフト ・ヒアルロン酸注入リフト ・フェイスリフト手術など
<美容鍼のたるみ治療>
・美容鍼の4つの重要な作用と各技術の役割

ICCO式美顔はり®:田中一行先生[考案者] 日本メディカル美容鍼協会副代表
顔全体に微細な刺鍼をする事で創傷治癒機転の作用を活かした肌質改善に特化した技術の美容鍼。
ダーマローラー」:約160本の極小鍼(ステンレス製マイクロニードル)の医療用ローラー
<立体造顔美容鍼®>…顔を立体的に美しくするための美容鍼
①基礎技術:低周波を使用し、硬くなった筋肉は緩め、弱くなった筋肉を鍛えて引き締める技術
②上級技術:顔を理想の方向に引き上げたまま鍼でとめていくリフトアップ技術
③刺鍼技術/抜鍼技術:痛み少なく内出血を減らす技術
<美容鍼と美容医療の併用>
美容医療で治療を受けた後の炎症,腫れ、痛み、熱感などが落ち着くまでの期間、また、皮膚や皮下組織また筋肉の状態が正常に戻るまでの期間をダウンタイムと言い、ダウンタイムは治療法や創傷部の大きさや程度により期間が異なるので、その方の担当医に確認することが大切である。併用のポイントは、美容医療の施術部位のダウンタイムが過ぎて、状態が落ち着いてから美容鍼を行うことである。美容鍼後の美容医療は、どのタイミングで受けても問題はないが、色の濃い内出血が出ている場合は注意が必要である。
<顔のたるみのまとめ>
美容鍼の作用と美容医療について、私達が理解し、患者様のたるみが出来ている原因を突き止めて、患者様の要望に合わせた美容を提案できることが結果、信頼と満足度につながる。
2.『立体造顔美容鍼®によるリフトアップの即効性』(実技編) ~動画視聴~

<基礎技術>
頚部の筋肉(胸鎖乳突筋、広頸筋、僧帽筋)をほぐして緩め、ストレッチを行う。続けて顔面部、側頭部、前頭部の筋肉をほぐし、最後に百会を強く押してゆっくり離す。
ベース8ポイントに刺鍼して通電(低周波治療器20HZ)を行う。
使用する鍼:NEO1寸0番、1番
①広頸筋 直刺 深度10mm前後 (主にフェイスラインのリフトアップ)
②咬筋(下関付近) 直刺 深度 13mm前後 〃
③大頬骨筋 直刺 深度10mm前後 (主に頬のリフトアップ)
④頬筋 直刺 深度12mm前後 〃
⑤側頭筋(下部) 斜刺 (主にフェイスライン、顔全体のリフトアップ)
⑥側頭筋(上部) 斜刺 〃
⑦前頭筋(下部) 斜刺 (主に顔全体、目もとのリフトアップ)
⑧前頭筋(上部) 斜刺 〃
【注意点】・場所 ・深さ ・鍼の方向 ・痛み少ない刺鍼
・内出血が出にくい抜鍼(鍼を刺した方向に抜く)
患者様の症状に合わせて刺鍼場所を変えても良く、鍼は筋腹にあてるようにする。刺鍼の深さの指標は標準的な目安であり、脂肪や筋肉量により刺鍼の深さを調整する必要がある。

<上級技術>
1) 皮膚、脂肪、筋膜、筋肉を押し手で引き上げてとめる(刺鍼する)
2) 美しい角度の見極め方
3) 刺鍼の部位・深さ・角度 ※振動を与えないように鍼管を叩かずに鍼頭を叩く
①第1ライン(顔面部外側フェイスライン~側頭部)…下部(大迎付近)から引き上げて刺鍼
顔面部5、6か所、頭部5、6か所 置鍼
②第2ライン(頬の中央部~眉上部、額~前頭筋)…第1ラインの置鍼した鍼を動かさないようにして、しっかりほぐす。引き上げて前頭筋でとめる(刺鍼)-2か所
取穴部位は、どこに鍼をうつと引き上がるかを探して刺鍼する。理想の方向に引き上げたまま、とめる(刺鍼)。押し手で引き上げて離さないように最後までとめていく。手を離したときに引き上げたものが落ちないように鍼の本数を増やしてとめていく。
片側の第1第2ラインの施術を終えると反対側を行う。左右差がでないよう左右均等になるようにライン取りすることが重要であるが、患者様の要望により左右差を出す場合もある。鍼の本数は左右同じでなくてもよい。
③頬に刺鍼…大頬骨筋(口角~目尻ライン)(深度7~10mm)
頬が立体的に膨らむ、高く持ち上がる場所・角度を探して取穴して刺鍼。
頬筋(口角~耳尖ライン)(深度9~12mm)
<基礎技術と上級技術の組合せ>
上級技術施術後に上級技術ラインの外側に基礎技術を施術して、低周波治療器で通電して筋肉を緩めて、引き締める。
立体造顔美容鍼®はその場で効果が現れるので患者様の満足感を得られやすい。
画面越しに拝見する岡本先生の美麗なお顔に見惚れながら、とても説得力のあるご講義に深く頷き、美容鍼への意欲をかき立てられました。美容医療の動向についても理解が深まり、美容鍼の強みや技術を盛り沢山とご教授いただき、大変有意義な時間となりました。
大阪府鍼灸師会研修委員 田口 まゆみ
































