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令和５年度第１回（５月度）学術講習会報告
【日時】令和５年５月１４日(日) 13:30～16:45 学術講習会（ハイブリッド開催）
・学術講習会（ハイブリッド開催）
①「ハリジェンヌから学ぶ美容鍼灸」
②「ハリジェンヌから学ぶ美容鍼灸 実技編」（実技供覧）
講師：光本 朱見 先生（ハリジェンヌ 院長）
令和5年度第1回は、東京から光本先生をお招きし、「美容鍼灸」をテーマに学術講習会を開催いたしました。光本先生は、10代のころから、フランスをはじめ世界各地で美容を学び、エステティックと鍼灸師の国際資格、国家資格を取得し、2012年に自身のクリニック、表参道「ハリジェンヌ」を設立し、エステと鍼を融合させた独自のメソッドで、最近では海外にも展開し、ご活躍されています。
講義ではまず、今後の美容鍼灸からお話が始まりました。美容鍼灸は10数年前から成長と発展を遂げ、安定期に入っていると思われ、もっと美容鍼灸を取り入れる人が増えて、さらに広げていくには次の3点が必要だそうです。①他成長期との融合⇒フェムケア美容鍼の導入②知識からリアル体感知識の時代へ⇒触れながら伝えていく③ハイパー肉体労働⇒鍼灸師は肉体労働であり、それを強みにしていく
ハリジェンヌでは実際、東洋医学と西洋エステを融合させ、【刺さない美容鍼】と【刺す美容鍼】を使用しています。
【刺さない美容鍼】とは、ハンドテクニックとオリジナル鍼を使い、筋繊維に対して多角的に刺激していきます。縦・横・回転など凝り固まる筋肉に柔軟性を上げ、体感としても上がる感覚を得れます。
【刺す美容鍼】では、筋肉深部に直接刺激をし、筋肉の柔軟性を高めます。血流を改善させるので、化粧水の吸収力も上がりハリを感じやすくなります。最初は鍼を支える力がない方も継続して鍼がピンとたつようになる変化も見えます。また、脈診や舌診により身体の状態を把握し、それぞれに合わせた美容のアドバイスも行っているとのことです。
また、美容鍼灸を行う上で、とても重要なことが内出血を起こさないことですが、【刺す美容鍼】をする前にお灸をするとリスクが下がるとのことです。（例：脾虚の場合、太白・合谷・陥谷へ施灸）もし、内出血が起きた場合でも、きちんと経過説明をしてあげることが重要です。
何と言っても美容鍼の最大の魅力は、「継続効果で肌が強くなることと自分ではできない刺激」だと光本先生は、おっしゃっていました。さらに、ハリジェンヌでのホスピタリティについても詳しく解説して頂きました。
後半は実技を見せて頂きました。通常の施術は、頭皮～刺さない鍼～刺す鍼の順番となります。
今回は時間の配分上、まず刺す鍼から見せて頂きました。まず消毒ついては、ホットキャビンで温めたヒビテンコットンでただ消毒するではなく、リフトアップを目的に肌に密着させて（ポイント：中指で覆う様に）全体を消毒していきます。使用する鍼は、セイリン製のJ15SP02番と03番（頭皮に使用）し、刺入の際は、鍼管を皮膚に押し付けるように密着させ少し引き上げ（押手でしっかり支える）、軽い切皮程度にし。その後、鍼管を抜いて刺入する。これを一つ一つの筋肉に対して行っていきます。抜鍼時もしっかり押さえて尚且つ引き上げた状態で抜くことが内出血防止になるとのことです。
さらに、刺さない鍼の実演をして頂き、会場受講者も体験することができました。
今回は、光本先生が今年唯一引き受けた外部の講習会ということで、会場とWEB合わせて200人ほどの受講がありました。美容鍼灸において非常に注目されている先生だけあって、あっという間の3時間となりました。また、会場受講も新型コロナ感染症の5類変更に伴い、満席での開催となり、久しぶりに熱気を感じた講習会となりました。
次回は、7月9日に「緩和ケア」をテーマに開催致します。講師は、多数のNHK出演をされています島根大学の大野智先生と明治国際医療大学の福田文彦先生となります。
次回も皆様のご参加お待ちしております！
（研修委員長 荒木善行）
