公益社団法人 大阪府鍼灸師会

研修会&講座のお知らせ

令和3年度第2回学術講習会報告



「治療としての美容鍼灸 基礎編-選ばれる美容鍼灸」

講師:一般社団法人 日本健美痩総合メディカル鍼灸協会 理事長 須賀 清子 先生
日時: 令和3年 7月 11日(日)
会場: 大阪府鍼灸師会館

美容鍼灸をしたい鍼灸師と美容鍼灸(東洋医学、鍼灸)に興味ある患者さんは沢山いるが、では何故、実際うまく需要と供給が当てはまらないのか、鍼灸師として食べていけないことが多いのか。これは美容鍼灸に限らず、一般的な鍼灸治療にも同じことが言える。
大前提として、患者さんは、鍼灸を受けたいのに、「どこに行っていいか分からない」。では、選ばれる院とは?まず、自分が逆の立場になって考えてみる。患者さんの立場になって治療院を選ぶ時に、どういうことを参考にして選ぶか。(価格、立地、雰囲気、口コミ・・・など。)
もう少し掘り下げて、そもそも私達の仕事(治療)とは?と考えたところ、つまり「お悩み解決」に尽きる。適正な価格を頂いて、きっちり効果をだして、満足してもらうことが仕事。
その為には、自分のやりたい美容鍼灸は、患者さんの悩みに沿っているのか?を突き詰めて考えることが大切。自分を客観的に見て、患者さんが欲しい情報を発信出来ているのかどうか。患者さん自身に、「これは自分の症状に当てはまる」→「美容鍼灸を受けてみよう」と気付いてもらうことが大切。もし、今、自分が上手くいってないことがあるなら、成功している先生にアドバイスをもらって、とにかく解決する為に行動すること。結局、「やるかやらないか」が全てで、正しいやり方ですぐに行動を変えてみること。
今時、患者さんが「満足」することは普通で、「大満足」でなければ生き残れない。技術があるのは当たり前で、患者さんの期待値を超える対応をすることが求められる。
そこで、選ばれる治療院の条件として、技術が 50%+その他が 50%。効果的な施術に加え、その他の接遇要素が施術と同じくらい大事。カウンセリングでその人のお悩みを聞いて、そのお悩みにどう治療で対応できるか、どのような経過で改善していくかを専門的な観点から分かりやすく説明してイメージをしてもらう。いかにその人の質問に的確に答えられるかどうかが大切。具体的に、シミに対する例を紹介していただいた。
特に女性は雰囲気を重要視するので、第一印象が9割以上と言われるほど重要。まず笑顔で、優しく話すこと、声のトーンや手の質感、臭いなど清潔感にも気を付けること、そして男性も苦手意識を持たずにチャレンジすることだと背中を押してくださった。
何よりも、「売る」のではなく、「提案」すること。その人のお悩み解決に対して、これが出来ますよ、と提案する。そもそも、特に女性の方は、いくつになっても美容に興味があるので、潜在的な患者さんは多いと考えられる。「何か、お肌で困っていることありますか?」と問いかけてみる。患者さん自身に、「私の為に一生懸命提案してくれている」、と感じてもらえる為の提案力と人間力が大事。
須賀先生のお話はいつも明確で、サービス精神に溢れ、ざっくばらんな話し方の中に愛があって、聞く者の心を捉えて離さない。そして一度会うと誰もがファンになってしまうのだと感じました。ここに、選ばれる美容鍼灸、選ばれる鍼灸師の神髄があるのではないか、と先生の治療理念「Full of Happiness」からも納得させていただきました。ついつい、治療技術のみで患者さんを治したい、と考えてしまうところですが、実際は、患者さんと自分自身を満足させるためには、他にも大切なことが沢山あって、その為のポイントを凝縮して紹介していただきました。早速、今日気付いたことから実践していこうと思います。
研修委員 上田 里美



「治療としての美容鍼灸 基礎編-基礎を知る」(実技供覧)

講師:一般社団法人 日本健美痩総合メディカル鍼灸協会 理事長 須賀 清子 先生
日時: 令和3年 7月 11日(日)
会場: 大阪府鍼灸師会館

 7月を迎え、暑い日が続くと思いきや、なんとも梅雨がまだ開けず、大雨による土砂崩れや集中豪雨による浸水といった災害が続き、気分が沈む思いでした。しかし、そんな気分を吹っ飛ばしてくれるすがすがしいセミナーが本日開かれました。
歯に衣着せぬ痛快な語り口で、憂鬱な気分をスカッとさせてくれる須賀清子先生に最初から最後まで釘付けとなるセミナーでした。須賀先生のセミナーを外部で聴講すると、1 回で○万円するところ、大阪府鍼灸師会が主催する研修セミナーでは会員なら 1,000 円で受講できるという何ともお得なセミナーでした。
 治療としての美容鍼灸に患者さんは何を求めているか?第二部はここから始まりました。約 5%といわれる鍼灸の受給率が上がらない理由は、この問いに対して答えることができるかどうかにかかっているそうだ。美容鍼灸をやることで、何が改善するかわかっていない、顔の部分的な悩みを知らないことが多いからだ。これが改善するということが伝えられれば疑問は解決する。では実践的に美容鍼灸をはじめるにあたり必要なことは、技術力、知識力、人間力といわれる。「シミはこうやって出来る」、「色が濃くて固いシミは痛い」といった知識力をもつこと。鍼数が増えれば細胞を傷つけ、皮膚に負担をかけることになる。そのためには負担をかけない打ち方を身につける技術力が必要だ。そして、それが効果的かどうかを判定する、ダメなものはダメと言える人間力を身につけないといけない。あなたの鍼灸は何のためにしているのか、それは仕事のため、お金を稼ぐこと、須賀先生いわくお金は切符と同じと仰せられていました。お金という切符を持って、次から次へ旅立っていくと私は解釈しました。
 鍼灸界には様々な流派、またそのスタイルがあります。美容鍼灸にも電気を流したり、鍼をたくさん刺したり、フェイシャルエステを主体とするような様々なスタイルがあります。どれが正しい、どれが良いというのではなく、いろいろな考えはあるが、「患者さんが良くなるように」という想いは一つではないか。私たちは、患者さんの心身機能を向上させるプロフェッショナルな立場でないといけない。美容鍼は流行だから行うのではない。患者さんの負担を少なく抜群の効果を出すこと。SNS で宣伝することは良いが、間違っても術者が主役ではない、それだけは間違ってはいけないのである。美容鍼灸は美鍼灸、つまり治療だからこそ正しくあって欲しいということでした。
 続いて、患者さんの要望レベルを知ること。「何が気になる?」「いつから気になる?」「どうなりたいか」「キレイになりたいって何か」といったように、患者さんのお悩み相談が美容鍼灸で解決できるかが鍼灸の広がりと可能性につながるのだそうだ。須賀先生がおっしゃった「カウンセリングでは、女を口説くような気持ちで聞くこと」というのが印象的でした。
 美容鍼灸の最大のメリットは、自己治癒力による美顔、副作用が一切無いことだという。では内出血はど うなのかというと、それに対するリスク管理をしっかり知ることが大事だという。例えば、目の周りは内出 血しやすいので、散鍼だけに留める。これでも十分効果的なのだそうだ。内出血してしまったら、それはそ れで対応が大事なことは言うまでも無い。弱いところ、悪いところは内出血しやすいことを患者さんに伝え、内出血で膨らんだところを 1 分以上強圧することで、浸透圧が上がり早く治るという。さらに青たんが出来たら治るまで 1 週間から 10 日前後かかることを伝える。
 最後に実技に入る前に、顔の筋肉や皮膚の構造といった基礎知識を身につけた上で鍼をしなければならない。ただ闇雲に鍼をたくさん打つのは須賀先生の考えに反するという。正しい施術ポイントを見極め患者に負担無く、リラックスの中施術してあげることを心がけたい。施術者として自己責任をしっかり持ち、患者さんへより良い施術を施すことで、それを見た女性が「私もやりたい」と思わせることが大事である。大切なお顔、お身体を触らせてもらっていると言う患者の立場になること。そして一人の人間として治療家として患者さんが求めていることに邁進すること、そういったイメージが大事である。ここに、須賀先生が実技で施術したツボを明記したいところだが、もしそれを知りたければ実際セミナーに足を運ぶ、または WEB セミナーに参加して欲しいと願います。須賀先生の講義をこんな破格なお値段で受けられるのは会員だからこその特権です。
 とてもすがすがしい気持ちになれたのは須賀先生のセミナーを間近で受講できたからだと思います。貴重な講義ありがとうございました。

研修委員会副委員長 清藤直人

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