公益社団法人 大阪府鍼灸師会

スポーツ鍼灸ボランティア

「河内長野シティマラソン」での鍼灸ボランティア活動に参加して



河南地域 ・ 林 政良
コロナ感染拡大防止の為、今年も「高槻シティハーフマラソン」や「寝屋川ハーフマラソン」などが中止となりましたが、その様な中で1月16日(日)に河内長野市で3年振りとなるシティマラソンが開催されました。
昨年は全てのマラソンイベントが中止となりましたので、我々も2年振りの鍼灸ボランティア活動となりました。提供するのは「呼吸がラクになる刺さないハリ( パイオネックス ゼロ)、ストレッチ、電気温灸器、痛いところに貼る刺さないハリ」などです。
実は今回のボランティア活動は、河内長野市側から「是非に」との依頼を受けての活動でありました。これは大変嬉しい事で、私がこの活動に参加するずっと以前から長年に渡り活動を続けてこられた河南地域の先輩先生方の功績であるのだと感じました。そしてその期待に応えたいと思い活動に臨みましたが、今回は初めて遭遇する色々な問題に直面してしまいました。
例年は市街地にある小学校がスタート・ゴール地点となっており、我々の活動場所も校舎内の教室を使用させてもらっていました。しかし、今年はコロナ感染拡大防止を考慮してなのか市街地を避けて丘陵地を走るコースとなり、発着地・活動場所も標高約300 mに位置する関西サイクルスポーツセンターとなりました。そしてその活動場所も室内ではなく立体駐車場2階部分の一角となり、風を遮るパーティションもありませんでしたので、石油ストーブや電気ストーブ・発電機などを持ち込んで寒さ対策をして臨みました。
初めての環境下での活動となるので緊張しながら走行前のランナーを待ちましたが、受付開始時間を過ぎても一向に競技参加者が前を通りません・・・。どうも参加者の受付場所や更衣室から集合場所に至る動線の中に我々の活動場所が入っていなかったのです。また、ランナーが集まる広場からは立体駐車場は目の前にあるにも関わらず、2階部分で大阪府鍼灸師会が活動をしている事が分かりづらい状態でした。
そうしている内に各距離に合わせたマラソン競技が始まってしまいました。こうなると競技を終えて帰ってくるランナーに来てもらうしかありません。その為に、ゴール後のランナーが通るであろう動線に大阪府鍼灸師会がストレッチ等の活動をしている旨の貼り紙を貼り直し、幟( のぼり) も目に付く所に立て、積極的に声を掛け誘導しました。
短い時間でしたが、結果は40 名程の方に利用してもらえました。しかし残念だったのは、競技後のサービス提供であった為、「呼吸がラクになる刺さないハリ」を希望される方がおられなかったことです。私としては多くの人に呼吸がラクになる事を実感してもらいたかったのですが・・・。

またその他の問題としては、走り終えてストレッチの順番を待っているランナーが汗で濡れた衣服が冷えてガタガタ震えだす方も数名いました。大き目のタオルを数枚掛けていただくようにしましたが、本当に寒そうで気の毒な程でした。
河内長野シティマラソンは例年であれば2500 人程の規模で行われていたのですが、今回は募集人数に制限をかけた為に800 人程で行われました。その為、必然的にストレッチ等の体験者数も減ってしまいました。
また我々の活動人数も10 名程に制限されましたが、その中で4 名の準会員の先生に参加して頂けました。この機会に準会員の先生方にはストレッチ提供を沢山の方にして頂きたかったのですが、予想よりも体験者数が少なかったので少し残念でした。
私は今まで大阪マラソンや寝屋川ハーフマラソンなどの活動に何度か参加させて頂きましたが、若杉先生・三宅先生を始めベテランの先生方に頼ってばかりいたように思います。ですが今回の件で、「自分で考えて、積極的に行動に移さなければならない」と気付かされ、私にとってちょっとした意識のターニングポイントになりました。また、次の機会では、準会員の先生方により良いアドバイスが出来るように自分自身をスキルアップしたいとも思いました。
 若杉先生や三宅先生、岩先生、牧野先生に於かれましては、前日から用具・用品等の準備をして頂き、また当日はまだ夜が明けない時間から遠方より南河内までお越し頂き頭が下がる思いです。
 そして準会員で参加してくださった片岡先生、稲葉先生、新田先生、山本先生も遠い場所まで来て活動に参加して下さって嬉しかったです。有難う御座いました。



河内長野シティマラソン大会スポーツボランティア活動に参加して


準会員 新田 慎
今回初めてのスポーツボランティア活動に参加させて頂きました。
普段は、訪問鍼灸をしているのですが、鍼灸師として成長していくために様々な現場でより多くの経験を得る為に、鍼灸師会に入会しました。
鍼灸師会に入会し、始めて参加させて頂いたのが、今回のマラソン大会のスポーツボランティアでした。初めは不慣れなスポーツ現場で迷惑をかけずに利用者様のお役に立てるか?とても不安でした。いきなりマラソン大会に参加するのではなく、その前に参加する諸先輩方の先生方と顔合わせ兼、研修会がありました。
そこでベテランの先生方と初めてお会いしたのですが、皆様とても親切で丁寧にご指導して頂き、不安は無くなりました。
マラソン大会当日には、まず先輩方がどのようにしているのか見せてくださり、対応方法や施術の流れなども参考になりました。実際に利用者様に施術もさせて頂きましたが、先輩方が隣で見て下さっており、安心して施術を行えました。
普段の訪問鍼灸では経験の出来ない事が経験できて、また一つ鍼灸師として成長を感じました。また、わからないことも周りには大ベテランの先生方が多数いらっしゃるので、新しい考え方や、治療方法などを詳しく教えてくださりました。
セミナーなどに参加するのも、一つ成長する方法ですが、今回のように実際に現場に出向き臨床の雰囲気などを肌で感じ「経験」をすることもまた必要な成長の礎になるかと思います。
学校などで、どれだけ勉強して「知識」を得ても、実際の患者様は教科書通りにはいかないことがほとんどです。それを補うのは臨床現場での「経験」で補えると考えております。
コロナ渦でも様々な活動をしている鍼灸師会で、今後も活躍していきたいと思います。


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