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研修会&講座のお知らせ

令和元年度 第2回学術講習会報告「皮膚の再生に特化した美容鍼 ~ICCO式美顔はり~」2019.09.02

②「皮膚の再生に特化した美容鍼~ICCO式美顔はり~」 

講師(公社)群馬県鍼灸師会 会長 龍華鍼灸院 院長 田中 一行 先生

 

約3年間美容鍼灸の講演をしていて思うことは、美容鍼灸とか治療とかどちらがいいと言う話ではなく、美容鍼灸の中でどれが一番とかでもなく、一つの方法論として紹介された。鍼灸師として美容鍼灸が普及することを目的とし、ブームを作るのではなく文化を作り、正直な知識や技術を提供し、鍼灸師がすべてを抱え込むのではなく、患者様に合う分野で得意とされる先生に紹介し専門職の輪を広げることが患者さんにとって早く効果がだせ、早く治る事が出来る。できることできないところを出していく事も大切である。鍼灸を多くの人に広めていくには、痛そう怖そうという負のイメージがあり、鍼灸未体験者に対しては、鍼灸を知って興味を持って欲しい。鍼灸が嫌いな人でも興味がまさると「恐怖<興味」で「痛くても怖くても受けてみたい」という気持ちにさせる。魅力を感じ必要とされる鍼灸を目指すには、鍼灸に興味がなくても美容には興味がある。きれいになりたい女性、男性も非常に多い。そこでどれだけきれいになれるかアピールして結果を出していって「鍼灸でもいい」ではなく「鍼灸じゃないと!」いけないという結果を出していく。

 

美容鍼灸でよく目にするキーワードは、リフトアップ、小顔効果、むくみの解消。他にきめ、保湿効果、弾力性の向上、シワ、タルミの解消、シミ、そばかすの軽減、消失。リフトアップ、小顔効果、むくみの解消は鍼灸でなくてもできる。顔に何が起きているかと言うと、表情筋を刺鍼・刺激することで筋肉が引き締まり血流の流れが良くなり、リフトアップ、小顔効果、むくみの解消が起こる。逆転させてみると、フェイスマッサージや美顔ローラーなどでも同じ効果を出せる物が多くあるので鍼灸でなくてもいいことになる。東洋医学からあえて離すのは、気、経絡、経穴は一般の人には曖昧な概念や評価でしかない。特に「美容」の場合は、納得を評価として目で見たことを実感してもらう。美容鍼灸に本当に必要なものは、押しつけではなく、期待や要望に真摯に応え、東洋医学的な調和も大事だが、西洋的な改善し、はっきりした効果を「鍼灸にしかできない」ものを提供する。

ICCO式美顔はりが生まれた理由は、治療効果に根拠、理論、意味、再現性を求めて、まわりの人が見てきれいになったと言われる治療を目指している。

 

美顔はり=皮膚美容+散鍼+「α」

・美容のために何をするか、これは山ほどある。

・組み合わせで方法や手法はいくらでもある

・なんでその必然の組み合わせなのか

・それが、「鍼じゃなきゃいけない」の根拠になる。

ICCOとは、

I・・・Injure「傷つける」

C・・・Cure「治す」

C・・・Collagen「コラーゲン」

O・・・Obtain「獲得する」

 

そうして生まれた「ICCO式美顔はり」とは

美容整形外科で使用される美容治療器具でダーマローラー。

ダーマローラーのメリットは、美容効果が高い。効果の再現性が高い。デメリットは、出血、かさぶた、赤み、腫れ、炎症など。刺激痛があるので麻酔が必要。皮膚の回復まで1~2ヶ月かかる。鍼灸師がダーマローラー的な鍼ができないのかと考え、細い鍼を用いることで皮膚上の出血がない。浅く刺すことで内出血を避け組織の再生修復が早い。清潔な鍼なので免疫反応や修復作業は正常に起こる。表皮の0.2㎜表皮の基底層に届くように刺入する。創傷治癒機転により、コラーゲンの増量、エラスチン量の増加、肌の水分含量物質・ヒアルロン酸・セラミドの増加、基底層の再生が起こる。24時間~48時間前後される。美顔はりをした翌日にさらに、リフトアップ、小顔効果、むくみの解消が起こる事が出来る。浅いしわは、瞬時~早朝に改善される。深いしわは、真皮層への刺鍼で再生される。シミやくすみに対して、表皮内にあるメラニンが排出されやすくなる。潜在しているメラニンが浮き上がることもある。シミと肝斑の鑑別は、皮膚科、美容外科でも鑑別不能。肝斑は、強刺激を加えると周囲に色素を放出する。浅い散鍼は強刺激にならないので肝斑があっても適応だが改善はしない。

 

ICCO式美顔はりの手技

セイリンJSP,No.03*15mmを使用。顔全体を確認できる鏡。顔全体に浅く細かい散鍼。深さは、0203mm程度。刺鍼は、一定のリズムで行う。手技のコツは、0.2mmの刺入深度を指先の感覚で覚える。浅く刺して、引き抜いて、動かして浅く刺す。鍼管は常に皮膚に対して垂直をキープする。治療の流れは、問診→消毒→鏡で顔の現状の確認。顔反面を治療→消毒→鏡で左右を比較。反対面を治療→消毒→両側の変化を確認。翌日に肌の変化を確認してもらう。消毒は、衛生面を考慮しアルコール綿花で治療部位を消毒する。患者さんの希望で、ノンアルコールの清浄綿を使用することもある。フェイスライン、ほうれい線、顔の幅、口角、鼻筋、目頭・目尻の高さ、目の大きさと位置、歪み等がある場合もチェックしておく。治療は、半面の顔に鍼を刺す。ほうれい線から頬、目の下、フェイスライン、目の外側からこめかみ。眉間、眉の上から額。片面を治療した直後の顔がどれだけ変化したのかを確認する。治療前に確認した部位は鏡で左右差を比較する。フェイスラインや頬は触れてもらい違いを確認。次に、反対側を治療しながら創傷治癒機転の話をして、効果は翌朝訪れる事を説明しながら、今後の自身の肌への興味を持たせる。

(研修委員 松岡 輝人)