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研修会&講座のお知らせ

令和元年度 第2回学術講習会報告「美容業界が経験した経営の失敗例と鍼灸師の先生にしてもらいたいスキンケアアドバイス」2019.09.02

令和元年7月14日(日)
第2回学術講習会 森ノ宮医療学園専門学校アネックス校舎
①美容業界が経験した経営の失敗例と鍼灸師の先生にしてもらいたいスキンケアアドバイス。
                    鍼灸Meridian烏丸 副院長 郡 佳奈 先生
 
化粧品会社専属エステティシャン・美容学校の専任教員・美容コンサルタント・鍼灸院副院長を経た立場から、華やかな美容業界が陥った経営の失敗例とそこから学んだ教訓をご紹介頂き、「美容」ではなく、「美養」意識を確立させた一歩先のスキンケアのアドバイス方法を鍼灸師の立場だからこそできることをお伝え頂きました。
 現在の一般的なエステティックのイメージとして、【脱毛、痩身、美白、リラクゼーションなど】が挙げられ、様々な美容業(美容皮膚科・美容整形・エステティック・化粧品販売)があります。エステティックの残念なイメージとしては、派手?過剰なセールスがあるのではないか?Before→Afterが怪しい?などのマイナスイメージがありますが、エステティック業の定義(一般社団法人日本エステティック振興協議会)では、「一人ひとりの異なる肌、身体、心の特徴や状態を踏まえながら、手技、化粧品、栄養補助食品および、機器、用具等を用いて、人の心に満足と心地よさと安らぎを与えるとともに肌や身体を健康的で美しい状態に保持、保護するという行為をいう」このような考え方の基に成り立っていることと、鍼灸の理念とも共通することと、他の資格者(医師・美容師・理容師・医業類似行為)の行為を禁止していることを強く述べられていました。
 また、エステティックの種類には、ソワンエステティック・メディカルエステティック(ドクターと一緒に結果重視)・ソシオエステティック(難病・終末期の方にタッチセラピー)があり、このソシオエステティックと鍼灸の概念が共通することや、海外(フランス・イギリス・アメリカ)では医療における美容ケアとして取り入れられていて、医療と美容・看護と美容という観点から、患者さんの心の支えや残りの人生をよりよく生きていくケアになっています。日本では、『コスメティックインフォメーション』として国立がん研究センター中央病院(2005年~)や『メディカルメイク外来』和歌山県立医科大学付属病院(2010年~)、『メイクアップ教室』京都大学病院、近畿大学病院など多大学に取り入れられています。
 その一方で、過去の美容業界が陥った経営の失敗(高額な回数券の販売・化粧品・機器の販売等によるトラブル)から、行政(厚生労働省・経済産業省・消費者庁)の指導のもと特定商取引法や景法表示法(不当表示・誇大表示・違法広告)などを詳細に説明され、サロンのイメージダウンから業界イメージダウンに繋がる警告とこれから経営の中に取り組む場合のアドバイスとしてエステティックの資格や成功する美容サロンの条件、そして美容に携わる人材の条件を教えて頂きました。
 最後に皮膚科学とスキンケアの基礎知識の説明と化粧品メーカーが出しているトリートメントによる生理的効果やストレスと肌トラブルなどエビデンスを指し示されました。
 化粧品学や肌トラブルに合った化粧品成分、医薬部外品の選び方や使い方そして使う時の気持ちが大切であること、エステティックをする上での禁忌事項・注意事項を説明されました。
鍼灸業界の進む美容鍼灸の方向性として「美容医療には、絶対に勝てない」(シミをとる・シワをとる・にきびを消すなどBefore→Afterがはっきりしているもの)と強調され、エステティック業界が辿った失敗を踏まえ、鍼灸業界では、ソシオエステティックとして病気をかかえた方や残りわずかな人生の方のタッチセラピー的な美容鍼灸を美容分野で確立していけば、鍼灸師しかできない美容鍼灸ができますし、気持ちよさやサービスという面から鍼灸師がエステティシャンを立たせて、一人の患者様に提供することも良いのではないか?というご提案でした。
 ますます発展している美容医療の中で、「絶対に勝てない」という言葉が印象に残りましたが、鍼灸業界として、鍼灸師しかできない美容鍼灸の在り方を様々な経歴と経験とエステティック業界での失敗を教訓に指し示して頂き、今後の鍼灸業界での美容鍼灸の存在意義を模索していく機会になったのではないかと思いました。
                                        研修委員 思川裕子