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研修会&講座のお知らせ

29年度 第3回学術講習会報告①「災害時に留意すべき疾病・災害時要配慮者とは」2017.08.28

■日時:平成29年7月9日(日)
■会場:大阪医療技術専門学校

【講演1】「災害時に留意すべき疾病・災害時要配慮者とは」
 大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター
 日本DMAT隊員 大西光雄 先生

 災害時には、医療資源(モノ、人)が圧倒的に不足するので順序をつける必要がある。災害時の直接死は目に見えやすいが、目の見えないところで何が起こり始めているか。災害関連死とは避難所や搬送時に起こる死のことをいう。7月29日(土)に大阪で内閣府主導による「南海トラフ訓練」が実施される。医療・自衛隊・消防・連携・応援を有効に配置できるかを訓練によって確認する。まず、ボランティアセンターに登録しなくてはダメで、どこに何人配置するか。統制とれた状況・目的・説明・組織が無いと何もできないし、ただ単に行っても役に立たない。指揮命令系統に従い自分の安全を確保し、けがをしないことが大事。
【CSCATTT】
C:指揮命令系統・安全・情報共有・評価(避難所など)の4つを確認し(どこかの指揮下に入らなければならない-登録下-絶対)、ここまで把握して活動を指揮命令できる者。
S:自分の安全―たとえば飛行機の表示(親子用-まず母親が第一、そして子供)にあるように。
C:情報伝達5W1H。
A:評価、
T:トリアージュ(黒・赤・黄・緑色に対応を仕分ける)
T:Treatment(救急処置)
T:Transport(搬送)
 これからが本日のテーマ「災害時要配慮者」である。過去の心配・困難から学ぶ。阪神淡路大震災も東北大災害も、「災害関連死」が「直接死」を上回っていると復興庁のHPでデータを出している。初めはけがの入院、病気の人の入院が増えてくる。病院の機能が低下すると初期治療できなくなり、既往症が悪くなる。避難所への移動中では移動資源が潤沢ではなく、避難所での生活は高齢者や病気を持つものにはストレス多い。
 以前は「災害弱者」といったが、平成25年に法律が改定され「災害時要配慮者」と呼ぶようになった。健康に留意した食物を食べることができなくなる。女性はトイレに行かなくなり、脱水やエコノミークラッシュなど普段起こらない病気になる。平成17年に法律ができていて、国のガイドラインに従って市町村は動いている。誰かの援助なしに生活できない。避難困難・自立していない・治療継続困難・おくすり手帳なくしている・服用薬をおぼえていない・個人情報が無いなどたくさんの問題がある。透析者は基本的に歩ける。食事についてはアレルギーの可能性がある。子供は環境になれにくい。妊婦については取り組みが遅れていた。熊本県は特養・特老の余裕について、4人部屋に非常時は5人入室等の非常時対応の想定がなく、対応が遅れていた。小児は地面から近いので、ほこりをたくさん吸い、照り返しを受ける。子供は逃げないといけない状況を察知できず、逆に危険に興味をもつため、親と離してはいけない。
 妊婦は母子手帳を持っていないことがある。福島で放射線について調査すると、うつ傾向27%でマタニティブルーより多く不安になりやすいため、リスクコミュニケ―ションが大切である。リスク・メッセージだけではダメで、しっかり答えることが不安を少なくする。
大きな環境の変化に対して、外国人は解決しやすい。スマホで情報入手、通信インフラがある(大阪大学専門研究機関―12か国多文化未来共生センター)が熊本地震情報を発信。位置情報込みであるとウソ情報を見抜ける。こういったことへの対応は、震災や状況に遭うたびに増えていく。 
 災害関連死や要配慮者について。災害時に疾病・病気が増え、病院機能や避難所環境のために発症しやすい。「避難所生活」において、ビジネス用語でいう「継続」―どうすれば最低限の日常が維持できるか。
 深部静脈血栓症・不安・食中毒―腐りやすい時期(梅雨)・糖尿病・高血圧・てんかん・分娩・透析・酸素療法などへの対応が大事。
(研修委員会委員 三木完二)