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研修会&講座のお知らせ

29年度 第2回学術講習会報告2017.06.17

■日時:平成29年5月14日(日)
■会場:明治東洋医学院専門学校

  『鍼灸師だからこそできる治療としての美容鍼灸
       ~美顔鍼・痩身鍼灸くびれ鍼~ 』   

         講師:(一社)日本健美痩総合メディカル鍼灸協会
                    理事長 須賀 清子 先生

 まだ5月だというのに夏の日差しを思わせるような暑さの中、明治東
洋医学院の講堂がほぼ満席となる205名の参加があり、改めて美容鍼
灸の注目度の高さを感じる中で講習会が始まりました。
 今回は2コマ(90分×2)たっぷり使って、美容鍼灸の現状と今後の
展望そして、MEDICURE式美顔鍼灸・痩身鍼灸くびれ鍼の基礎施術を実
演して頂きました。

①美容鍼灸の現状と未来
 最近では、有名芸能人がインスタグラムなどのSNSで美容鍼灸を施術さ
れている写真を投稿して話題になり、たちまち世間では美容鍼灸が流行り、
美容鍼灸を取り入れる鍼灸院も増えていきました。しかし現実には患者さ
んとのトラブルも多発しており、ただの流行で終わるのか、それとも美容
鍼灸として確立していくかの重要な局面を向かえています。確立していく
ためには、美容鍼灸の在り方を明確にしなければいけません。単にエステ
としての鍼灸をするのではなく、治療としての美容鍼灸を実践しなければ
いけません。
「治す」という鍼灸師だからこそできることが必要です。


②広がる鍼灸の可能性
 鍼灸=「肩こり・腰痛」のみに効くと認識されていることが多い世の中
で、本来もっている鍼灸の可能性を知ってもらわなければいけません。女
性でいえば、不妊や月経異常に対する鍼灸治療があり、男性に特化すると、
EDや脱毛そして痩身鍼灸(健康的に痩せる)があります。またスポーツ鍼
灸(選手の怪我・サポート治療)もあり、どんどん鍼灸の可能性を広げて
いき、鍼灸が選ばれる選択肢を増やしていくことが大切で、鍼灸の得意性・
特別性を示す必要があります。その時に重要な3つのポイントは、1.絶対
的効果の出し方2.リスクマネジメント 3.患者さんとの信頼関係になり
ます。そして、痛くない!気持ちがいい鍼灸を実践することです。


③リスクマネジメント
 美容鍼灸において、患者さんとトラブルになる原因に内出血があります。
施術部位の多くが顔面部になるため、徹底したリスク管理が必要になってき
ます。内出血を起こしやすい部位(目の周囲)は刺鍼を避け、問診時のカウ
ンセリングシート(施術同意書付)に沿って、美容鍼灸のデメリットとメリ
ットをきちんと説明してから施術に入るようにします。内出血に関しても、
なぜ内出血が起こるのか・いつ頃治るのかなどを丁寧に説明するよう心掛け
ます。


④美顔鍼灸(MEDICURE式美顔鍼灸)
 メディカル的医療観点からの治療です。すなわち「しみ」「しわ」「くす
み」といった数多ある肌トラブルを一つの疾患として捉え、それらを治療す
るこで、元ある美肌・美顔へと導き、さらに肌の状態を向上させることが治
療目的です。
 解剖学的には、肌は三層構造になっており、表面から表皮・真皮・皮下組
織の順になっています。この中で美顔鍼灸に関係してくるのが、表皮と真皮で
す。表皮では肌のターンオーバー(肌の新陳代謝)が周期的(年齢×1.5)
に行われており、治療によって血流の改善がみられ、ターンオーバーの乱れを
整えていきます。


⑤瘦身鍼灸・くびれ鍼灸
 皮下組織に刺鍼することによって、脂肪組織に直接アプローチ(脂肪層を傷
つける)をし、血流を促進して代謝を上げていきます。鍼灸だけで痩せるので
はなく、代謝を上げるスイッチをONにした状態でマッサージや簡単なストレッ
チを加えることで、脂肪を消費しやすくするのです。


⑥実技(美顔鍼灸)
1.前揉を込めた術前マッサージ(顔面部はやさしく、頭皮は強めに)。


2.太陽・攅竹・迎香・顴髎・大迎、頬車辺り・翳風のやや下・聴宮辺り・承

 漿の片側8本、両側で16本、セイリンJO2番5分鍼を使用し、2㎜~3㎜

 刺鍼(真皮層までが約2㎜)。
 承漿の周辺にごわごわ感がある人は、月経に何か問題があることが多い。


3.置鍼した状態で、術者の示指と中指で鍼を挟み、軽く斜めに押し上げるよう

 にやさしく押さえる(2周程度)→鍼の周囲をやさしく刺激して、鍼の効果を

 上げる。


4.抜鍼後はすぐに後揉しない→内出血を確認するため。


5.後揉を込めた術後マッサージ(顔面部はやさしく、頭皮は強めに)。


*本来であればお灸を使用する(カマヤミニ美灸)が今回は使用せず。


⑦まとめ
 聴講数からも美容鍼灸の関心度が高いことを非常に感じました。単にエステと
しての美容鍼灸ではなく、根本治療を取り入れた「治療としての美容鍼灸」を実
践することが大切です。そのためには、治療技術はもちろんですが、徹底したリ
スク管理と患者さん目線の対応(信頼関係の構築)が重要になっていて、こうい
った土台があってこそ治療が成立すのではないかと思います。ここが鍼灸師にと
って必要な部分であると同時に実践していくことによって今後「治療としての美
容鍼灸」の確立につながり、また鍼灸受療率の向上に結び付いていくのではない
でしょうか。                  (研修委員 荒木 善行)