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素問

29年1月素問勉強会/『素問』至真要大論篇第七十四注第四十章より2017.02.08

●日 時:平成29年1月8日(日) ●会 場:大阪府鍼灸師会館3階 

●講 師:日本鍼灸研究会代表 篠原 孝市 先生

◆医道の日本誌1月号 臨床に活かす古典 『No.57 伝変』のお話より

  我々が病の変化というものをあまり感じないのは、短時間のスタンスで治
 療を考えているという事が関係あると思う。最初に勉強をした時に学校など
 で「鍼灸には即効性がある」という風に言われるので、どうしてもそれを基
 準に考えてしまうということが関係あると思う。「即効性というものは、や
 はり特定の場合だけなので、むしろ鍼灸というものは長く治療しなければい
 けない。たまに即効性のあるものがある」というような教え方の方が本当は
 良いような感じがする。即効性があると聴いて、まずその場で何とかしなく
 てはいけないと思う。その時にどうするか。鍼をたくさん刺すようになる。
 即効性を求めると大抵たくさん刺すか、深く刺すかになる。だんだん症状を
 おかしくする。大体そういうことが多いのでは無いかと感じる。長い目で病
 態を観る。腰痛、頭痛、肩がこる、膝の痛み、何れでもどのようになってい
 るかの病態の観察が必要である。症状にあまりとらわれないほうが良いと思
 う。腰の痛い人に「最近は睡眠の状態はどうですか」と聞くと怒る人がいる。
 「関係ないじゃないか。なぜそのような事を聞くのだ」と言う人もいるが、
 患者さんの主観と我々の見方は違うので病症状に入れて、聴くべきことは聴
 いていく方が良い。全身に現れている所見というのは主訴と同じぐらいの重
 さがあるので、それを診ないとなかなか長いスタンスの治療は難しいと思う。


◆『素問』至真要大論篇第七十四注

 第四十章より

  曰く、其の病を生ずること何如ん(いかん)、と。

  岐伯曰く、厥陰(けっちん)の司天、客勝てば則ち耳鳴り、掉眩(とうげん)
 す。甚だしければ則ち欬(せき)す。主勝てば則ち胸脇(きょうきょう)痛み、
 舌(ぜつ)以て(もって)言い難し。


  帝が言う「どのような病証を生じるのだろうか」

  岐伯が答える「厥陰風木が司天、三の気に来る年は、その気が盛んになりすぎ
 た場合は、耳鳴り(二の気が太陽寒水なので起こる)、めまい(厥陰風木が司天
 の時の典型的な肝の病)になる。甚だしいとせきが出てくる。(初の気が陽明燥
 金なので肺の気が盛んになり起こる) 
  初の気(年初の60日間)は脇の痛み(肝の病証)というものが起こる。そ
 れから二の気(次の60日間)と三の気(その次の60日)は、口がうまく巡ら
 なくなる。

  少陰の司天、客勝てば則ち鼽嚔(きゅうてい)し、頸項(けいこう)強ばり、
 肩背瞀熱(けんぱいぼうねつ)し、頭痛、気少なく發熱(はつねつ)し、耳聾
 (じろう)、目瞑(もくめい)し、甚だしければ則ち胕腫(ふしゅ)、血溢
 (けついつ)す。瘡瘍(そうよう)、欬喘(がいぜん)す。主勝てば則ち心熱
 煩躁(しんねつはんそう)す。甚だしければ則ち脇痛(きょうつう)支滿(し
 まん)す。


 「少陰君火が司天(三の気)の場合は、客気が盛んになれば鼻が詰まったり鼻
 血が出たりする(三の気の少陰君火が金に影響を及ぼして金の症状が出る)。
 頸が強張る(初の気が太陽寒水なのでその症状だろうと言われている)。肩や
 背中が熱を持つ(三の気の少陰君火の症状)。頭痛(三の気の少陰君火の熱の
 症状)、耳聾(じろう)、目瞑(もくめい)(二の気の厥陰風木の症状と言わ
 れている)。浮腫(太陽寒水の症状)、血溢(けついつ)(三の気の少陰君火
 の熱の症状)になる。瘡瘍(そうよう)(三の気の少陰君火の熱の症状)、欬
 喘(がいぜん)(三の気の少陰君火が金に影響を及ぼして金の症状が出る)。
 主気が強くなった場合は、二の気と三の気に心熱煩躁(しんねつはんそう)す
 る。もっと、強くなれば脇痛支滿(きょうつうしまん)、脇が痛んで突っ張っ
 た状態となる(初の気の厥陰風木の症状が出る)。


 太陰の司天、客勝てば則ち首面胕腫(しゅめんふしゅ)し、呼吸の氣、喘す
(ぜんす)。
主勝てば則ち胸腹滿ち、食已って(おわって)瞀す(ぼうす)。


  太陰湿土が司天(三の気)の場合は、客気が盛んになれば顔がむくみ(太陰湿
 土の影響が年の初めから出る)、喘息のような症状が出る(太陰湿土の湿邪が影
 響している)。主気が強ければ胸腹が満ち(火が土に影響を及ぼしたため起こる)、
 ものを食べた後で意識がもうろうとした状態になる(三の気の少陽相火の影響の
 心の病だと言われている)。


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