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素問

28年12月素問勉強会/至真要大論篇第七十四注 第三十八章より2017.02.08

●日 時:平成28年12月11日(日) ●会 場:大阪府鍼灸師会館3階 

●講 師:日本鍼灸研究会代表 篠原 孝市 先生


◆医道の日本誌12月号 臨床に活かす古典『No.56 不治』のお話より

  患者さんに施術を続けてもらった方が良いのか、止めた方が良いのかという
 基準を私はこのようにしている。手足の施術によって主訴には変化が無いが
 脈状に変化が見られるというものは必ず続ける。患者さんが来るという限りは
 続ける。脈が浮いているものが沈むようになったり、一番その症状にふさわし
 い脈状になったり、主訴が改善しなくても主訴以外の症状が変化する時は施術
 を続ける。「夜はちゃんと眠れていますか」「食欲の変化は無いですか」など
 押さえるべきポイントが有るのでそこは必ず患者さんに聴いて、変化があれ
 ば、施術を続けていく価値があると思う。主訴がまだ変わっていなくても脈状
 か症状の変化が有れば、大体まず三か月を一つの目途として施術を続ける。三
 か月で季節が変わる。季節が変わると病態が変わるという事があるので、三か
 月を一つの目途とする。そういう変化があるとしたら年単位の施術という事を
 考える。


■『素問』至真要大論篇第七十四注

 第三十八章より抜粋

  曰く(いわく)、善し。氣の上下とは、何をか謂うや(いうや)、と。 
  岐伯(きはく)曰く、身半(しんはん)より以上、其の氣三つ、天の分

 なり。天氣、之れ(これ)を主る(つかさどる)。身半(しんはん)より
 以下、其の氣三つ、地の分なり。地氣、之れを主る。名を以て氣に命じ、
 氣を以て處(ところ)に命じて、其の病を言う。半は所謂る(いわゆる)
 天樞(てんすう)なり。故に上(かみ)勝ちて下俱に(しも ともに)病
 む者は、地を以て之れ(これ)に名づく。下勝ちて上俱に(かみ ともに)
 病む者は、天を以て之れに名づく。所謂る(いわゆる)勝至るは、報氣屈
 伏して未だ發せざる(はっせざる)なり。復至れば則ち天地を以て名を異
 (こと)にせず。皆な復氣(ふっき)の法を爲すが(なすが)如くなり、
 と。


*2017年は、
 初の気(大寒【1月20日】~春分【3月20日】) 
 二の気(春分【3月20日】~小満【5月21日】) 
 三の気(司天の気,小満【5月21日】~大暑【7月23日】) 
 四の気(大暑【7月23日】~秋分【9月23日】)
 五の気(秋分【9月23日】~小雪【11月22日】)
 終の気(在泉の気,小雪
【11月22日】~大寒【2018年1月20日】)です。
 年の前半(身半より以上)の氣三つは、初の気、二の気、三の気のこと。
 年の後半(身半より以下)の氣三つは四の気、五の気、終の気のことです。
 (二十四節気は国立天文台 平成29年暦要項を参考)


 は言われた「よろしい。では一年の上半期(初の気から三の気までの期間、
2017年であれば1月20日~7月23日)と下半期(四の気から終の気ま
での期間、2017年であれば7月23日~2018年1月20日)の気の関
係とはどういうものであろうか」

 岐伯が答える「一年の前半というのは三つの気に支配されていて、これは司天
(天)の気が司っている。一年の後半も三つの気に支配されていて在泉(地)の
気がこれを支配する。

 三陰三陽(厥陰・少陰・太陰・少陽・陽明・太陽)の名前を使って、それぞれ
の季節(風木・君火・湿土・相火・燥金・寒水)を呼ぶ。それぞれの季節は60
日づつ順序良く巡って来る。それぞれの季節(六気)にもとづいて病気の表れと
いうのを説明する。


 一年の前半と後半を分ける真ん中に「天樞(てんすう)」がある。年の前半を
支配する司天の気が盛んになると、
年の後半を支配する在泉の気を覆い尽くして
しまう。年の後半を支配する在泉の気が盛んになると、次の年の前半にもその影
響をおよぼす。ある特定の司天の気が盛んになった時には、それを報復させる気
は屈伏していて
まだその状態では無い。ところがやがて報復させる気が出てく
る。(たとえば木の気が盛んになる時には、それを報復する金の気は
まだそれ
を抑える状態とはなっていない。ところがやがて木に対して金の気というものが
出てきて、それがだんだんと影響を及ぼしてくる)

 やがて抑える気というものが表れてくれば、司天の気がその年の後半に影響を
及ぼすこと、また在泉の気が翌年の前半に影響を及ぼすことがだんだん無くなる。
(年の後半は正しく在泉の気の影響を受けられる。翌年の前半は正しくその年の
司天の気の影響を受けることが出来る)


*方藥中(ほうやくちゅう)は「身半(しんはん)」について「身」は一年の全
 体と解釈し、年の前半と後半と注を入れている。


*方藥中は「天樞(てんすう)」を体の部位と限定して考えるのでは無く、年の
 前半(陽、春と夏)と後半(陰、秋と冬)を分ける境目の時とこの文章に沿っ
 た形で解釈している。