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研修会&講座のお知らせ

平成28年度 第3回学術講習会報告22016.08.10

■日 時 : 平成28年7月10日(日)15:15〜16:45

■会 場 : 森ノ宮医療学園専門学校 本校舎6階

■主 催 :(公社)大阪府鍼灸師会

【報告②】
『スポーツ現場における測定と評価』
             講師:関西医療大学 講師・理学療法士・
                日本体育協会公認アスレティックトレーナー 
                              中尾 哲也 先生

 大阪府鍼灸師会でも大阪マラソンをはじめ、多くのスポーツ現場でスポーツ鍼灸プロ
ジェクトチーム中心にボランティア活動をしている。
 現場ではどうしても限られた時間内で痛みに対する簡単な測定と評価で対応せざるを
えない状況があるが、本来は、痛いところや症状のあるところには出来るだけ触らず、
そこにストレスをかけている原因に対して、アプローチしていくことが重要である。そ
れをさぐるには動作観察や姿勢観察が鍵となってくる。
 そこでスポーツ現場で出来る簡単な動作・姿勢観察を、実技を交えて3つ教えて頂い
た。この3つを「測定・評価」するだけで訴えのある選手に変化を与えることができる
という。
①股関節の可動域チェック・・・仰向けの状態で股関節屈曲位90度(ベッドを平行にし
              て大腿骨の軸を真っ直
ぐ立てる)にして膝を内側に倒す→
              左右差を確認。どちらが硬いのか柔らかいのか。

②体幹の可動域チェック ・・・ 手を頭の後ろに組んで、背筋を伸ばして座った状態で骨盤
               を固定しながら、体幹
を左右に回旋→左右差を確認。

③バランスチェック(片足起立)・・・腰に手を当てて(手のバランスを取れなくする)、
                膝は伸展位の状態で
片足立ちしてもらう。その時まず、
             の指が曲がり、地面を掴むように
立っている・いないかを
             確認する。
足の指が曲がっていて力が入っているようであ
             れば、足趾MP関節伸
展位でもう一度、片足立ちしてもらう。
             その上で、どの位置でバランス
を保てるかをみつける。→左
             右差を
確認。
 
 ① ② ③をチェックすることにより、股関節・体幹の柔軟性や可動域と足のバランスと
の関係つまり、足の向きと体の向きが正しい運動方向に向いているのか、いないのかを見
極めることが出来る。
 バランスは、関節可動域や筋力や協調性などトータルな評価として位置づけられ、体の
アンバランスは、関節可動域の低下によってもたらされる。
 片脚起立から片脚起立の連続が歩行やランニングにつながっていくので、関節可動域を
広げ、無駄な力が入っていない運動姿勢やバランスを整えることで、安全な運動動作を導
き、次の運動を仕掛けるための連続性のある動作姿勢を可能にする。
 
 中尾先生は再三、次のように仰っていた。
 痛みや症状を改善するためには、痛みや症状に対して直接アプローチするのではなく、
その原因を探ることが重要だと。そうしなければケガもしやすく、症状が再発することが
多くなると。
 そしてスポーツ選手のコンディショニングに携わるうえでは、単に対処療法に対する評
価で済ませるのではなく、原因となっているメカニカルストレスを見つけ出し、より正し
い動作や姿勢で運動が出来るよう調整していくことがトレーナー本来の役割だと。
多くのスポーツ現場では、検査器具のようなものを持ち込むことが困難であるため、限ら
れた時間の中で、いかに有効で簡便な「測定と評価」が求められる。そういった意味で今
回は、より実践的な内容で意義深いものだった。 (研修委員会委員 荒木 善行)