学ぶ

HOME » 学ぶ » 素問 » 平成28年5月素問勉強会/至眞要大論篇第七十四注 第二十四章から

素問

平成28年5月素問勉強会/至眞要大論篇第七十四注 第二十四章から2016.06.12

●日 時:平成28年5月8日(日) ●会 場:大阪府鍼灸師会館 3階 

●講 師:日本鍼灸研究会代表 篠原 孝市 先生

●『医道の日本誌』2016年5月 臨床に活かす古典 「№49 死生」のお話より 

 中国医学では自然性を重視するので、それに従うか逆らうかが死生の一番の問題になる。
例えば夜は八時間寝るものとする。これを二時間にしても、四時間にしても構わないという
ことである。人間の自由な意思は選択するものである。しかしそのつけは必ず回ってくる。
「他の人は頑張れなくても自分は頑張れるのだ」と、「それは意思の力である」と考えるの
は大間違いで、睡眠時間二時間、四時間のつけは必ず回ってくる。それは短期間にはわから
ない。睡眠時間4時間で20年ぐらいすると体はめちゃめちゃに傷む。30代40代ぐらいの時に
は、一見すると一過性の疲労に見える。しかし睡眠時間を短くする事は、体の根本の五蔵と
いうものをものすごく傷めているのである。 死生を決める根本は陰陽、つまり自然性であ
る。人は自然に生きなければいけないというの
では無い。自然に生きなくても構わない。し
かし、朝起きて、夜寝るという事が自然性だとすれば、それと違う生き方をすると、必ずつ
けが回ってくるというのは間違いが無い。

●至眞要大論篇第七十四注 第二十四章~第二十六章
第二十四章
 曰く、六氣の相勝つこと奈何ん、と。

 が聞かれた。「六気の力関係において、お互いに強かったり弱かったりする。その一方
が圧倒的に強い場合はどうなるか」

 岐伯曰く、厥陰の勝は、耳鳴り、頭眩き(かしら、めくるめき)。憒憒(かいかい)とし
て吐せん(とせん)と欲し、胃鬲(いかく)、寒ゆる(ひゆる)が如く(ごとく)、大風數
數(しばしば)舉し(きょし)、倮蟲(らちゅう)滋らず(しげらず)、胠脇
(きょきょう)
の氣并せ(き、あわせ)、化して熱を爲す(なす)。小便黄赤、胃脘(いかん)、心に當っ
て(あたって)痛み、上、兩脇(かみ、りょうきょう)に支え、腸鳴飧泄(ちょうめいそん
せつ)し、少腹(しょうふく)痛み、注下赤白(ちゅうげせきはく)、甚だし(はなはだし)
ければ則ち(すなわち)嘔吐し、鬲咽(かくいん)して通ぜず。

 岐伯が答える。「厥陰風木の気が強いという場合は、耳鳴りや目まい、胸苦しくなって吐
き気がする。(肝が胃に影響) 胃と隔膜の間に冷えがある。(胃の気の虚と同じ。体全体
を冷やしたり非常に神経を使ったりすると、胃寒という状態になり吐きやすくなる) 倮蟲
(らちゅう)、つるつるした皮膚を持つ虫(木・火・土・金・水の土の気の虫)が、(肝木
によって土が抑えられるので)生育しなくなる。胠脇(きょきょう)、側腹部から側胸部に
かけてが(肝の気が盛んになって)熱を持ってくる。(肝の熱が膀胱に移って)小便の色

黄赤となる。胃からみぞおちの辺りまで痛む。(肝の病が脾に伝わった為) 体の上の方で
は両方の脇が突っ張る。(肝の中心的な症状) (肝が大腸に影響を及ぼして)おなかが鳴
り、不消化便が出る。下腹部が痛む。赤や白の色のついた下痢をする。(肝木の邪気が腸胃
に影響) (肝の邪気が胃に影響し)吐く。モノが入ってきてもすぐに出てしまう。

第二十五章
 少陰の勝は、心下(しんげ)熱し、善んで(このんで)飢え、齊下(せいか)反って(か
えって)動き、氣、三焦(さんしょう)に遊ぶ。炎暑至り、木迺ち(もく、すなわち)津い
(うるおい)、草迺ち(くさ、すなわち)萎む(しぼむ)。嘔逆躁煩(おうぎゃくそうはん)
し、腹滿痛(はら、まんつう)し、溏泄(とうせつ)し、傳えて(つたえて)赤沃(せきよ
く)を爲す(なす)。

 少陰君火がはなはだしい場合は、みぞおちから胸にかけて熱くなる。(典型的な心病の症
状)頻繁におなかがすく。(心の熱が胃に影響) へその下の部分に動
悸がある。(水湿が
貯留、心の熱が膀胱に移ったと説明されることが多い) 心の気(心の熱)が上中下の三焦
すべてに影響を及ぼす。自然界では非常に暑くなる。樹木の外に樹液が溢れてくる。(体か
ら汗が出てくるがごとし) 水分が木や草から抜けだしてしまう。病証は嘔逆(おうぎゃく)、
激しく吐き戻す。躁煩(そうはん)、胸苦しくなる。腹部が脹満し痛む。溏泄(とうせつ)、
水様便が出る。赤沃(せきよく)、病が伝変して血尿が出る。(血尿は張介賓の注による)

*次回は、至真要大論篇第七十四注 第二十七章からです。
『素問』の森を歩いてみませんか。鍼灸の歴史に立ち止まり、振り向く楽しさが見つかるか
もしれません。ご参加をお待ちします。  
  
                    (素問勉強会世話人 東大阪地域 松本 政己)