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研修会&講座のお知らせ

平成28年度 第2回学術講習会報告22016.06.11

■日 時 : 平成28年5月15日(日) 15:30〜16:45
■会 場 : 履正社医療スポーツ専門学校
■主 催 : (公社)大阪府鍼灸師会
 


《報告②》 口からはじめる健康づくり
             講師:中道歯科医院 医長 
                大阪ガス(株)健康センター嘱託医
                           中道 哲 先生

 歯科領域で扱う疾患を大別すると、歯周病・顎関節症そして虫歯の三つになる。

歯周病
 歯肉炎と歯周炎とに大別される。歯肉炎の原因は歯垢で、口呼吸による口腔の乾
燥・メンタルストレスや過労によって抵抗力が低下し、炎症を起こしやすくなる。
歯周炎とは歯を支持している骨の縮小により歯が喪失してしまうものをいう。歯は
横からの圧力に弱く、(うつ伏せ寝、側臥位、頬づえ、歯ぎしり、間違った歯の磨
き方)などが誘引となり歯がぐらつき始め、支持骨が変形して縮小しやがて抜けて
しまう。

顎関節症
 症状のほとんどが左右差となって現れることから、左右の偏った使い方によって
生じる。右打ち・左打ちなどのスポーツでは片側の筋肉が強くなり顎のズレが生じ
やすく、横のテレビを見ながらの食事は片噛みが多くなる。側臥位や頬づえをつく、
虫歯や歯抜けの放置でも顎の偏位が起こる。口呼吸やくいしばりも偏位を助長する。
 自覚症状としては口を開けにくい・関節部の雑音・疼痛があり、身体の重心やバ
ランスにも影響が出るため、全身の姿勢や動作にも影響が出る。養生は歯をかまず
唇を閉じて下顎をリラックスさせ安静に保つことである。

虫歯
 健康な口腔内のPH値は7くらいで中性を保っているが、食事をすると酸性化しPH
値2位の強酸性までになる(※1)。食後30分くらいで中性に戻るがその過程は、
脱灰(表面が溶ける)された歯は、唾液の存在によって自動的に再石灰化(表面が固
まる)し、より強固になる現象が起こっている。唾液は口内常在菌の出す酸や飲食物
の酸などの中和、毒素を解毒したり洗い流したりする役割を持つ。従って唾液の分泌
低下や循環不良を起こす原因として歯列不正や頬の圧迫(うつ伏せや横寝、頬づえ)、
口呼吸、不規則な生活、長時間の飲食などは歯の保全上危険である。口腔内の酸性化
の状態が長いほど歯が痛めつけられるからだ。
 食後すぐに歯磨きをすることは、脱灰(表面が溶けた)状態で研磨するわけだから
危険である。食後すぐには水で口ゆすぎのみをし、30分くらい経過して再石灰化後
(表面が固まった)
に行なうことを勧める。ブラッシングは当たり前だが、デンタフ
ロスや歯間ブラシなども使用することを勧める。
 歯科の掲げるスローガンに8020運動というものがあり、80歳で20本の歯を
保つことが健康増進につながるそうだ。調査によると、80歳以上の高齢者で20本
以上の「歯」が残っている人は姿勢がよく、八重歯などの歯列不正はなく、特別に健
康に気をつけているわけでもなく、以外にも歯磨きは朝一回だけという方が多いらし
い。「歯」を長持ちさせるにはきれいな「歯並び」が重要ということだった。

●歯数が多い人は健康度が高いが、逆に少ない人は病気がちになる。
●タバコを吸う人は歯が早く減る。
●上を向いて寝ない人は歯が早く減る。
●不規則生活者は虫歯が多い。

◎気をつけよう 寝相 片噛み 口呼吸
 努めよう 早寝 早起き 骨休め

 一度溶けては、元には戻らない歯。ライフスタイルや食事の習慣そのものを
見直してみてはいかがでしょうか。

※1飲食物のPH値
 コーラ飲料2.2/栄養ドリンク2.5/梅酒2.9/スポーツ飲料3.5
 赤ワイン3.8/ビール4.3/トマトジュース5.0/レモン2.1
 グレープフルーツ3.2/みかん3.6/しょうゆ4.7
                   (研修委員会委員 賀来 祥克)