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素問

平成28年4月素問勉強会/至眞要大論篇第七十四注 第二十一章~第二十三章2016.05.08

●日 時:平成28年4月10日(日) ● 会 場:大阪府鍼灸師会館 3階 

●講 師:日本鍼灸研究会代表 篠原 孝市 先生

●『医道の日本誌』2016年4月 臨床に活かす古典「№48養生」のお話より 
●『素問』四氣調神大論篇第二の冒頭の部分
 春三月、此(これ)を発陳と謂う(いう)。天地俱(とも)に生じ、万物以て
(もって)栄す。夜に臥し(ふし)早く起き、庭を広歩す。髪を被り(かぶり)
 形を緩くして、以て(もって)志(こころざし)をして生ぜしむ。生じて殺す
 ことなく、予えて(あたえて)奪うことなく、賞して罰することなかれ。此れ
(これ)春気の応、生を養うの道なり。これに逆らうときは則ち(すなわち)肝
 を傷りて(やぶりて)、夏は寒変を為す(なす)。長を奉じる者少なし

 「養生」という原稿を書く一番大きな動機になったのは、『素問』の「四氣調
 神大論」のことを書こうとした所にある。この篇は韻を踏んだ非常にきれいな
 文章である。
 「春は早起きして庭を広く歩きなさい。髪の毛をばらばらにしてゆったりさせ
 て、そして着ているものもゆったりしたものを着て、のびのびとした気持ちに
 なりなさい」という
ような事が書いてある。
  春の自然界のありかたに従えば、人体の中の気を伸び伸びと生かすことが出
 来、それをしないと次の季節
具合が悪くなるという事が書いてある。中国医学
 には、ある季節に養生しないと次の季節に必ず害が及ぶという発想がある。

●至眞要大論篇第七十四注 第二十一章~第二十三章
 第二十一章より抜粋
  帝曰く(いわく)、善し。之れ(これ)を治すこと奈何ん(いかん)、と。
 岐伯曰く、司天の氣は、風、勝つ所に淫すれば、平らぐる(たいらぐる)に辛
 涼(しんりょう)を以て(もって)し、佐くる(たすくる)に苦甘(くかん)
 を以て(もって)す。甘を以て(もって)之れ(これ)を緩う(ゆるう)し、
 酸を以て(もって)之れ(これ)を寫す(しゃす)。

  が聞く。「司天の位置に六つの気がそれぞれ来た時にどんな治療をしたら
 いいのか」岐伯が答える。「司天(小満から大暑まで、2016年は5月20
 日~7月22日)に六気の内の厥陰風木が来る年は、自然現象の決まりとして
 木が土を尅するので湿土に影響を及ぼします。主なる治療は、辛涼の薬(木火
 土金水の金の薬)を使って風木を抑えます。補助治療は、厥陰風木が盛んであ
 れば脾(湿土)が尅されるので、それを補うために甘薬(土の薬)を使います。
 風から生じてくる熱をますために苦薬(熱薬)を使います。甘薬(土の薬)を
 使って湿を補うことによって風木があまり盛んにならないようにしてやります
 そして酸薬(木の薬)を使う事により風木の体の状態を瀉法を使い抑えます」
 (必ず治療に木火土金水の力関係【三角関係】を利用する)

  熱、勝つ所に淫すれば、平らぐるに鹹寒(かんかん)を以てし、佐くるに苦
 甘を以てす。酸を以て(もって)之れを收む(おさむ)。

  少陰君火、火の気というものが司天にある場合は、火が金を尅するので(損
 傷させるので)主の治療は、鹹寒の薬(水の薬)を使います。水の薬を使う事
 によって火を治療できます。補助治療は、苦薬(熱薬)を使い熱を冷まし、ま
 た甘薬を使います。(土を補って木を尅して火を収めるという意味であろうか)

  濕、勝つ所に淫すれば、平らぐるに苦熱を以てし、佐くるに酸辛を以てす。
 苦を以て(もって)之れを燥かし(かわかし)、淡を以て之れを泄らす(もら
 す)。

  太陰濕土、土の気というものが司天にある場合は水に影響を与えますから(五
 蔵でいえば腎、経脈でいえば足の少陰腎経に影響を与える)、それを治療する
 ためには苦熱の薬で治療します。(これは相剋を使わないで、熱を冷ますこと
 によって治療し
ている)補助治療は酸薬と辛薬を使います。苦薬(熱薬)を使
 い湿を乾かします。また淡の薬を使います。(新校正注では「淡」は「辛」で
 あろうと言っている)

  濕、上に甚だしくして熱せば、治するに苦温を以てし、佐くる(たすくる)
 に甘辛を以てす。汗を以て故(こ)と爲して(なして)止む。

 (湿邪は本来は陰の邪気なので、体の中焦と下焦にあるのが当然なのであるが、
 それが陽の部分つまり上焦の部分に留まっていた場合は、湿熱状態になり熱が
 甚だしくなる) 
 「湿が上焦にあり湿熱が甚だしい時は、それを治療するために苦温の薬(熱薬)
 を使うことによって汗を出して湿熱を取ります。補助治療は甘薬と辛薬を使いま
 す。汗が出てきたらそれが元の状態なのでそこで治療を止めます」

 *次回は、至真要大論篇第七十四注 第二十四章からです。
 
                   (素問勉強会世話人  東大阪地域 松本政己)