はり灸のいろは

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はり灸のいろは

20世紀、科学の発達は目覚ましく人類に多大な恩恵をもたらしました。しかし、一方では自然破壊や核兵器の開発など人類の生存そのものを脅かすようになっております。医療の分野におきましても、医療技術の進歩は非常に素晴らしく、わが国は世界一の長寿国となりましたが、その反面、高度医療による人間性の問題、医療費の高騰、薬の副作用など、現代医療も新たな問題に直面しております。こうした背景もあり、いま東洋医学が自然に則した医療として見直されています。

そこで、私達は、四千年前に中国で発祥し、日本におよそ5世紀中頃に伝えられ、明治7年の医制の公布があるまでの千数百年にわたって湯液(漢方薬)とともに、日本の中心的な医療でありました鍼灸医学の正しい姿を皆様へお伝えしたいと考え、この小冊子を発行することになりました。

近年、鍼灸医学の社会的評価の高まりの中で、日本学術会議においても、鍼灸に関する研究の必要性と鍼灸教育の重要性が提唱され、教育面では既に短期大学、四年制大学、更に大学院まで設立されて、時代のニーズに対応できる鍼灸師の養成並びに鍼灸治効のメカニズムに科学のメスを入れ、その実証に邁進する態勢を整えています。

また、諸外国においても東洋医学への関心が非常に高まり、WHO(世界保健機関)においては、1989年、スイス、ジュネーブでの世界会議の席上、鍼灸用語の国際的統一が達成されるとともに、鍼灸を全世界に積極的に普及させることが提唱されるなど、いまや鍼灸は東洋のみならず全世界、全人類の医療としてはばたこうとしています。

私達は、皆様方に東洋の叡知でありますこの「古くて新しい医学・鍼灸」を正しく理解して頂き、明日の健康の一助となりますことを心より願っております。